看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
2019年、私たちの学校は開校10周年を迎えました。学校名に「国際」とついてはいましたが、イムス横浜国際看護専門学校という名に値する特色をカリキュラムに出すことができていたかと言えば、必ずしもそうではありませんでした。
私が本校に就任した2019年4月には、海外研修を実施することは決まっていましたが、研修内容に関しては検討段階という状況でした。そこで、まずは今年度より実施される海外研修の内容について検討することにしました。当校では海外研修が国際交流という科目の教育内容に含まれているため、全ての学生が海外研修に参加します。そのため学校としても科目としてふさわしい内容としなければいけませんでした。
そこで、学校として国際交流で何を学ばせたいのかを再度検討しました。学内での話し合いの結果、海外研修を通して看護を行う上で必要な人間理解をするために、その国で暮らす人々の文化・宗教・歴史に触れることで多様な価値観を受け入れるためのきっかけとなる場にすることを目的としました。そのため、ベトナムでの研修では病院や看護大学での研修だけでなく、民族博物館や軍事歴史博物館の見学など、医療とは直接関係のない研修にも力を入れました。
スケジュールには旧市街での自由時間も設けました。交通事情が日本とは全く違うことやスリの多い状況を考えれば、安全面を優先し旧市街での自由時間を行わないという判断もありましたが、現地の人々の日常生活を少しでも肌で感じてもらいたいと考え自由時間を設けることにしました。引率している身からすればドキドキしましたが、想像以上にGoogle マップ等を駆使し学生は旧市街を楽しんでいるようでした。食べたり飲んだりして歩くだけで看護に必要な学びを自然とできますし、楽しく学べると記憶にも残りますね。もちろん安全第一であることは忘れてはいけません。
今回の研修を行うにあたり、事前の調査では全ての学生が前向きであったわけではありません。しかし、研修終了後のアンケートでは、9割以上の学生が今回の研修を「行って良かった。」と回答していました。
観光旅行で現地に訪れても、見て聞いて体験して多くの学びを得ることができるでしょう。でも、看護を通して文化・宗教・歴史について、ほんの少しディープな世界に入り込むことで、感性はより刺激され学びが深まるのだと思います。きっと、当校の学生も観光では得られることのないちょっとディープな学びを得ることができたのではないかと思います。
きっとそのちょっとディープな世界が対象や場所を問わず今後の看護に活かされるのだと思います。
今回の研修を行うにあたって、トラベル・パートナーズさんにはビジネスを越え、看護教育に携わるものとしての責任のもと協力をして頂けたと感じています。現地では教員以上に気を揉んでいたのではないかと・・・。
これからもトラベル・パートナーズさんには観光では得ることのできない、ちょっとディープな学びを学生に提供できる、そんな研修をプロデュースし続けて欲しいと思います。