看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
1月17日(金) 4日目最終日:
研修4日目。旧市街から約1時間ほどの場所にある、民族学博物館に行きました。ここを訪ねると、よりベトナムの民族や文化について知る事ができます。現地ガイドさんが、自分の事やご家族のことを交えながら、楽しくお話をして、学生も、すごく興味深く話を聞いていました。丁度、旧正月前でしたので、書道の先生がテーブルを並べて、来場していた小学生に文字を書いていました。
ベトナムの農家のレプリカが、民族学博物館の敷地に建てられていて、実際のお家の様子を見ることができるので、学生にとってはとてもいい体験になりました。特にベトナムでは、仏教徒の方が多く、お墓や結婚式の様子が再現されたディスプレイなども展示されていますので、学生たちがベトナム文化がどういうものなのかを学ぶにはとてもいい場所だと思います。外の敷地には伝統的な遊具も設置されていて、体験する事ができ、学生たちには大人気。見たり、聞いたりだけではなく、実際に体験する事は、若い学生には大事で、多方面からの刺激は知識の吸収に繋がるので、国際交流には欠かせない場所だと思いました。
《民族学博物館内、53の民族のパネル前》
《ベトナムの結婚式》
《ベトナムの家族で入るお墓》
《農家の昔の家》
《旧正月で書の先生から文字をもらう風習》
クロージングセレモニーでは、各学生にコメントや感想をいただいて、修了証を手渡しました。 (修了証をもらう事で、研修をちゃんと終了できた証となりますので、学校団体で海外に行かれる際はおすすめです。)
《研修の感想の後に修了証の授与》
《フレンチコースで最後の晩餐》
学生の中には、すでに結婚されて、お子様がいらっしゃる方も参加していました。 研修前は、「子どもを誰かに預けてまで、この国際交流に参加する意味がわからない」とおっしゃっていたのですが、帰国後は、「学校の行事の一環で参加しなければ、こんな体験もできなかった、参加できて良かった」と、感想をいただきすごく印象に残っています。
他には「英語に自信がなかったが、こんな自分の下手な英語でも買い物の時に値段交渉ができた」、「自信が持てた」と、喜んでいた学生もいました。「この研修をきっかけに、もっと英語を勉強したい」と、数名の学生たちがコメントをしていました。異国に暮らす方とコミュニケーションを取るという意味では、英語ができたらいいのですが、それが一番大切なことではないと思います。英語はあくまでも、意思疎通を図るツールにすぎないですので、この研修で、外国人に対する苦手意識の克服や、第二言語を学んでみたい、と思ってもらえるきっかけになってくれたらこんな嬉しいことはありません。看護師として医療現場に立った時に、外国人をケアする事があるかもしれません。その時に、この研修を思い出して、外国人とうまくコミュニケーションを取り、その方のケアに尽力し、役に立てる事ができたら嬉しいです。
アメリカ圏には、これまでも、多くの学生研修旅行に同行しましたが、今回のベトナム研修は発展途上国での研修であり、これまでの研修とは一味違う経験となりました。出発前には、学生が迷子になったり、事件(置き引き、スリや強盗など)に巻き込まるのではないか、と心配していましたが、実際には、ベトナムの情報を下調べして、クラスメイト同士助け合いながらの行動ができていました。「かわいい子には旅をさせよ」という様に、心配し過ぎて、ルールで拘束するのではなく、自分たちで考えて行動できるように、学生たちの成長を見守るのも大事なのだ、と思いました。トラブルにはもちろん遭遇してほしくはないですが、たとえ、トラブルに巻き込まれても、それを乗り越え、学ぶことができれば、きっと、将来有望な看護師へと成長していくことでしょう。
ベトナムでは常識でも、日本では非常識なことや、日本では当たり前にしていた行動が、ベトナムでは好印象に思われるなど、実際現地へ行って実感したことが沢山あったと思います。今まで普通と思っていた状況(日本に生まれたこと、自分を支えてくれている家族や友人のことなど)に対して、感謝の気持ちが芽生えた方も少なくないのでは? まさに「他国を訪ねて自国を知る」という感じでしょうか。この研修で、多様な価値観に触れ、IMS横浜国際専門学校の2年生の皆様が、国際人として一歩成長されたことを、垣間見ることができました。
この研修が、少しでも未来の看護師たちにとって、有意義なものになることを、トラベル・パートナーズ一同、願っております。
《帰りのフライト》
-完-