看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
病院見学では特に、設備が充実していることに感銘を受けました。実際に産科病棟の病室を見せて頂きましたが、分娩用のベッドの他に生まれたばかりの新生児に何か問題が生じた場合、すぐに対応できるよう緊急用ベッドや器具などが、クローゼットのようなスペースにコンパクトに収納されていました。また救急病棟では、ベッドの一部にリモコンが設置されていて、それを操作することによって、英語を患者さんの国の言語(6~7ヶ国語)に変換したり、患者さんの言語を英語に変換したりでき、両者の意思疎通が図れる、という驚きの機能がありました。たとえ英語が話せなくてもその機能によって、医療者側とコミュニケーションが取れるのです。異国での入院において言語の違いは、患者さんの不安をより強くさせるものであると思うので、このような機能があれば、患者さんの安心につながるのではないかと思いました。
病棟においては、患者数に対するナースの人数が充実しているので、(実際のところはよくわからないが)余裕をもって働いている姿が印象的でした。
病院以外の施設も数ヵ所見学しました。どの施設も建物の外観や内装に工夫がされており、とくに家族支援施設においては、天上を見上げるとミニチュアの電車が走っているなど、テーマパークのような楽しさがありました。また、ボランティアの方々の活動が充実していて、毎日の食事の献立てやレクリエーションの計画などがしっかりと考えられ、実行されていました。入居者や利用者の方々の立場に立つ、という意味を再認識した見学でした。
医療系大学の先生による講義も聴講しました。いくつかのテーマの中で興味深かったのは、アメリカ全土において唯一オレゴン州のみ合法化が認められている「オレゴン州尊厳死法」に関する内容でした。詳しい内容については省きますが、聴講中に自分の臨床経験を思い返し、自分の死生観について改めて深く考えさせられました。
今回の研修には、現地の日本人ナースが通訳を行って下さったが、現場で使われている言葉をどのように日本語で表現していくのかなど、言語表現に関する視点からも大変勉強になりました。しばし日本を離れ異国の風を感じながら、現地の医療や看護を学んだり、感じたり、深く考えたり、日本と比較したりなど、とても新鮮で有意義な研修となりました。
このようなすばらしい機会を与えて下さった関係者の皆様に、心から感謝致します。
★留学期間
ニュージーランド オークランド 2006年3月~2006年10月
オーストラリア メルボルン 2006年11月~2007年8月
オーストラリアでは、メルボルン市内にある<メルボルンランゲージセンター>のOETクラスで学びました。ヨーロッパ・南米・アジアなどいろいろな国のドクター・ナースの方々と出会い、国の文化などについても話す機会があるなど、医療英語だけでなく様々な学びがありました。
そして、メルボルンはとても町並みがきれいで、食べ物も美味しいところです。
★現在の職業
正看護師・医療文書翻訳(通訳)・医療英会話講座講師