看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
北京大学医学部看護学科を今年9月に卒業したナースに会いました。名前は、李勍(Li Qing)。北京大学人民病院心臓外科所属RN。
李勍さんが働く北京人民病院は今年創立90周年を迎える大学病院。北京市は人口1200万人、流動人口を加えると約1,600万人。北京市内には3級病院(トップクラス)は51件あり、西洋病院44件、漢方病院7件。大学病院は3つ。北京大学附属人民病院はその一つ。現在1448床。Dr.1000人以上 (中国は「研修医」と言う名称は無く、全てDr.)、ナースは全部で1300人。看護実習生120人。準看護師はほとんど無し。平均在院日数9日間。心臓バイパス手術でも7日間。患者は大変多く、門診(外来)は年間140万人。外科手術年間約20,000人。特に心臓内科・心臓外科で有名。心臓内科の郭継鴻教授の貢献が大きい。心臓手術は1日20件。年間約500件。
天安門にて
李勍さんは欧米への留学経験はありませんが英語が達者。彼女に伺ったところ、教育ママのお蔭で小学校の時からビシビシと鍛えられた結果とか。北京大学医学部看護学科の学生数は1学年35人。2008年の例では、学士卒業した後、すぐに臨床のRNとなる人は7 名のみで、35名のうち28名は大学院(マスターコース)へ進んだそうです。しかし、この28名が全て臨床もしくは、看護教育など看護関係で働くとは限らず、看護以外の分野に進む人も多いとのことでした。北京大学では英語はしゃべれるのが当たり前。同大卒のナースは、将来、国際経験を積む機会も増え、中国の看護をレベルアップして行くリーダーとなることが期待されます。
大卒ナースの李勍(Li Qing)さん(左側)。通りかかった看護師長とのワンショット。
北京人民病院のロビー案内。90周年記念のタスキを肩から掛けて案内していました。北京人民病院は中国が外国からの資金援助に頼らずに作った最初の総合病院。この病院の歴史は中国における西洋医療発展の歴史そのものです。
病室の外には、患者名の表示はなく、担当医師名と担当ナース名のみ表示されています。護士とはナースのことです。
活躍する若いDr達:中国の大学病院にはいわゆる「研修医」という名称は無く、医師は全て「医生(=医師)」と呼ばれます。若くてやる気満々の医師達が頑張っており、優秀な人材は昇進も早く30歳代の教授も珍しくありません。因みにこの3人は北京人民病院と同クラスの北京同仁病院の急診ICUのDr達ですが、3人とも准教授です。
路上「薬買取ります」の張り紙:病院の外の路上には、こういう紙がそこら中に貼られています。中国では薬が高価ですので、余った薬を患者から買取りそれを農村部へ転売するというビジネスが成り立っているようです。(基本的には違反ですが。。。)
<記:トラベル・パートナーズ 代表取締役 戸塚雄二>