看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
オーストラリアの留学を決めたのは、ちょうど英会話スクールに通いだし自分のつたない英語でも外国人とコミュニケーションがとれることに非常に喜びを覚え、もっと英語を学びたいと思ったからだった。
そんな中見つけたトラベル・パートナーズの長期看護プログラムは、看護師の私にとってとても魅力的に映った。実際、長年勤めた病院を辞め、海外留学をすることは大きなチャレンジだったが、本当に良い体験となった。General English Classでは本当に多くの人、それもいろいろな国の人に出会うことができ、英語を通して交流を深めたことは、その後の英語学習のモチベーションを保つ良い原動力となった。クラスもM4Aから始まりM5、そして先生の勧めでEAP、最終的にはOETと良い調子でレベルアップできたと思う。Generalで基礎を学び、EAPで英語の幅をひろげ、OETでより自分の専門に役立つ英語を学ぶことができたと思う。OET、IELTSと受験し、その後帰国するが、結果はともかくこれをこの留学の一つの成果と受けとめ、次につなげたいと思う。
Nursing classもとてもいい経験になった。また、病院見学や講義を通していろいろな側面からオーストラリアの医療について触れることができた。特にNursing Englishのクラスはとても役立つものであった。それまで単なる略語として使っていた言葉のルーツや意味を知ることで、今まで点でしかなかった医療英語の知識が、しっかり線でつながった感じがした。
今回の留学を実り多いものとした要因の一つに良いホストファミリーとの出会いがあげられると思う。結局、最初から最後まで同じホームステイ先にお世話になり、ここでもいろいろな人に出会うことができたし、何より静かかつ和やかな雰囲気がとても気に入った。ホストファミリーには本当に感謝している。
また、メルボルン自体とても過ごしやすいところだと思った。(天気の気まぐれさは別として)いろいろな文化に触れることができ、いろいろな国の人に出会うことのできる面白い街だと思う。英語を話すことでコミュニケーションの幅が広がることをあらためて実感したし、日本の良いところ、悪いところを考えさせられるいい機会となった。
今回の留学を通して、多少なり上達した英語を今後の看護師としての自分に大いに役立てたいと思う。できれば、一度オーストラリアで看護師として働く、これが次の私の目標である。その時はまた、メルボルンに戻ってきたいと思う。
研修施設:Yarraville Village Aged Care Facility
研修期間:2007年1月8日~1月12日(1週間)
感 想:日本での高齢者施設での勤務経験はないので具体的な比較はできないが、概ねケアの内容は日本のそれと変わりないように思った。印象的に感じたのは全ての入所者が起床後、更衣をし、時には化粧をし、ダイニングに集い、一日の大半をそこで過ごし、朝・夕のめりはりをつけていることであった。日本では、ともすれば動けない者は一日中ベッドで寝衣のまま過ごすことがある。
今回のボランティアでは、入所者とのコミュニケーションを通して自分の英語力を試してみたいという思いが少なからずあったが、実際は、入所者の多くがハイケアを要する者、又痴呆、難聴のため、コミュニケーションを図ることが難しかった。しかし、様々なアクティビティを通して入所者と接することができ貴重な体験となった。
研修病院:St.Vincent’s Hospital,HITH(Hospital in the Home)
研修期間:2007年1月16日(1日)
感 想:HITHは、日本には導入されていないシステムなので、実際どのようにケアが提供されているのかを見ることができて大変良い経験となった。基本的には訪問看護(慢性期)の需要も多く、そちらにも時間を割いていることがわかった。日本での訪問看護ケアの実際、及び詳細は未経験であるが、今後の自分の看護師としての選択肢の一つとして訪問看護という分野も以前より興味深くとらえることができた。一患者に充てられる時間に限りがあるため、迅速かつ正確なアセスメント能力、又多岐にわたる医療看護の知識、技術が必要な分野と感じた。