看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
仕事柄、現地で撮影した様子を動画にまとめたりする事があります。今回、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、時間にゆとりができたので、普段なかなか時間をかけられない仕事ができました。先日は、ベトナム研修に参加されたIMS国際看護専門学校の学生(当時2年生)にプレゼントするために、撮り溜めたクリップの編集作業をしていましたが、作業中、参加された学生の表情の変化に気がつきました。前回のベトナム体験記ではベトナムについて、浅く広く紹介しましたが、今回は、『学生の行動から見るベトナム体験記』を続編としてシリーズで、お届けしたいと思います。
今回のベトナム国際交流では32名の学生たちが参加しました。年齢が20代前半から40代前半の学生で、多くの方が海外旅行が初めてで、パスポートの申請も初めてだった方がたくさんいました。出発前に行ったオリエンテーションでは、研修のイメージが定着しやすいように現地の資料や動画を提供しましたが、どちらかというと海外研修に対して不安の声の方が圧倒的に多かった印象でした。
1月14日(火) 出発日:
成田空港からの出発でしたが、中には、電車で2時間程度かかった方もいらした様でした。うまく集合出来ないのではないかという不安もあったのですが、特に問題もなく、全員定刻に集まることができました。
団体旅行ではよくある話ですが、旅行中カバンの開けっぱなしだったり、携帯電話やパスポートの置きっぱなしという光景をよく見かけます。人数が多い分、添乗員としては少し心配でした。成田空港では、注意すべき点をブリーフィングし、学生同士でお互いに気をつけるように呼びかけました。
ベトナム航空の機内の中ではキャビンアテンダントさん(CA)とのやり取りが初めてだった方もいらっしゃいました。飲み物を聞かれて、答えるのにモジモジされていた学生。「コーラ」とオーダーするとCAさんに「Coke?(コーク)」と聞き返され、「。。。」 と無言。コミュニーケーションの中で緊張している様子が伝わってきました。今考えると、この時点で学生たちの国際交流はもうすでに始まっていたのだと思います。
5時間というあっという間のフライトで、ベトナム、ハノイに到着しました。ノイバイ空港はとても人の出入りが多く、人と人の間をすり抜けて、空港の駐車場まで歩いて行きました。ベトナムで最も多い犯罪はスリ。特に人が多いところでは、観光客がターゲットになります(特に日本人)。ターンテーブルで預けた荷物が2名分出てくるのに1時間以上かかってしまい、いきなり到着後、盗難にあったのではと、少しヒヤリとしました。
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《空港内出発ロビー》
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《税関申告近くのターンテーブルで》
空港から市内のホテルまではおよそ1時間。ラッシュ時という事もあって、バイクの量はものすごかったです。「すっげえ〜」、「うわー」、「バイクの量ハンパないね」など、学生たちもフライトの疲れが吹っ飛ぶほど、異国の風景を窓から驚いた表情で眺めていました。ホテルチェックイン後は早速、市街地の散策。学生たちは海外の洗礼を受けるかのように、不安感とワクワク感が入り混ざる中、しっかりと現地ガイドさんの後ろについて、聖ジョセフ大聖堂やホアンキム湖の周辺をまわりました。全員38人でバイクが行き交う旧市街のど真ん中を横断しました。誰かひかれてしまわないか、ヒヤヒヤしましたが、全員無事でした。間違いなく日本では味わえないスリルでした。
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《市内のバイクの量》
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《ラッシュ時は車が動きません》
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《聖ジョセフ大聖堂前で現地ガイドさんより説明》
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《ホアンキム湖の周辺を散策》
ベトナムでの初めての晩餐は、INDOCINE(インドシン)でいただきました。ベトナムの国民食と言っても過言ではないフォー(麺料理)に、学生たちのウケは良く、300円〜400円の生しぼりのジュース(オレンジ、スイカ、パイン、パッションフルーツ、ココナッツなど)も、とても美味しいと、喜んでおかわりをオーダーしていました。バナナの花のサラダなども食べられて、日本では絶対味わう事の出来ない食材がたくさん。しかし、デザートに皮付きのバナナが1人1本、提供された事に学生たちは大笑い。日本のレストランでは、丸ごとバナナはデザートには出てきません。これもきっといい思い出の1つになったのではないかと思います。現地では、これが盛大なおもてなしのデザートなのでしょう。食感は、もっちりと、甘さがとても強いバナナでした。
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《ココナッツジュースは丸ごと》
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《デザートも丸ごと!?》
この時点で、日本を出発してすでに14時間以上が経っていました。現地時間はすでに21時近く(日本時間は23時)、学生たちもそろそろ疲れが出る頃。食事を済ませて、ホテルに戻り、全員が部屋に入ると予想していましたが、意外にも、全員が外出。(夕食後、ホテルに戻ってからは自由行動です。毎晩、引率の先生たちが点呼確認していました。)
23時近くになったら、最寄りの住宅より決して上手とは言えないピアノ演奏が鳴り響いていました。これはアジアのホテルではあるある話ですが、一部の学生から苦情の連絡を受けた事で、学生たちがそのピアノの音を聞いていることで、無事にホテルに戻っている事がわかり、安心しました。後から聞いた話ですが、学生たちは近くのコンビニや旧市街にある観光客向けのスーパーに買い物に行っていたそうです。グループで行動するのを心がけていたので、問題も特になく、楽しく過ごしていた様です。
こうして、1日目を何とか無事に終えて眠りについたのでした。これからどうなることか、多少の不安を胸に感じつつ… Chúc ngủ ngon !(チュグーゴン、ベトナム語でGood night!) 続編第2弾に続く