看護・高齢者ケアプログラム体験談・視察レポート
ブータンに来て早くも9ヶ月が経過しました。メルボルンの看護留学はトータル約10ヶ月程だったのですが、同じ月日の頃、メルボルンでは相当ダメダメな留学生、腐っていたなぁ…と思い出しつつ、反省している今日この頃です(笑)
こちらは現在雨季の最中で、時折激しい豪雨となります。雨季の間は、これまた水問題が深刻です。というのも、断水は言うまでもなく、水道から出てくる水もかなりの汚水となるのです。明らかに泥水が目視できる事もありますし、バケツなどに貯水すると、濁水が一目瞭然だったりします。さすがに飲料水としては活用出来ないのですが、お風呂(と言ってもバケツの水を温めてお湯浴びです!笑)用としては見えないフリして使っています。日本では本当に考えられない事ですし、こんな生活を想像もしていませんでした。私自身、こんな生活に耐えられるとも思ってもいませんでしたが、人間の適応力を実感、なんだかんだ生活できるもんだなぁと我ながら感心しています。
道路かなりやばいです!
水問題に加え、ブータンにおける雨季の最大の問題が道路事情の悪化です。ブータンの道路は基本的に、一応車が通れる程度に山を崩したオフロードなので、地方に行けば行くほど、上も崖、下も崖、崖崩れか転落か?というような、かなり運任せのスリル満点なアトラクションを超えるドライブを体験することになります。道路として整備されていないので、これが雨によりドロドロの泥濘となり、場所によっては崖が崩れてロードブロックという事態が発生します。先日、初めて首都から自分の任地までローカルバスを利用する機会があったのですが、終始緊張、なかなか恐怖の旅でした。なんとか無事に生きて帰りつけてラッキーという感じでしたが、ローカルの人達と2日間を共にする訳で、なんとなく一体感のような、親近感のようなものを感じたり、超アウェイな日本人を気遣ってくれる優しさに触れたり、また1つ面白い人生経験が増えたなぁと思っています。
最近、ブータンは、秋篠宮眞子様のご訪問や、TV番組「世界ふしぎ発見」の放送などで、日本でもかなり話題になったみたいですね。でも、メディアの情報というのは、抜粋されたほんの一部分にすぎないと思います。過大もしくは過小に表現されている事も少なくありません。私も実際に現在のこの地で生活していなければ、わからなかった事、気付かなかった事というのはたくさんありますし、まだまだ知らない事がたくさんあると思っています。
今の便利な時代、日本に居て世界中のたくさんの情報を簡単に得る事が出来るし、海外留学をしなくても英語を習得する事も可能だと思います。ですが、現地で生活してみないと見えない事はたくさんあります。本当の意味で理解するという事、本質を知るという事は、一時的な訪問者としてではなく、その土地の住人として生活をすることだと思います。
英語に関しても、習得しても使えなければ意味がありません。英語の試験でどんなに高得点を取れても、英語を使ってコミュニケーションが取れなければ無駄になります。英語はあくまでもコミュニケーションツールです。と言いながら、私も話すのが得意ではなく、メルボルン留学中は、英語が本当に嫌になり、話すのも聞くのも拒否的な状況に陥っていました。それでも、現地で生活するためには使わざるをえません。おかげで、自然とネイティブの言い回しなどは覚えていきました。やはり、その土地に暮らすという事で、言語に関してもなし得る事は多いと実感しています。私は今は生活言語はほぼ英語ですが、多数の現地語にもさらされて生活していて、よく分からないけれど言ってみようとか、使ってみようとか、そんなレベルで少しずつ言葉を覚えています。やはりコミュニケーションツールである言葉が少しでもわかると、大きく世界が変わる気がします。その土地で、その土地の人々と、その土地の言語を使って暮らす、というのはものすごく大きな学びになります。
なんだかまとまりのない話になってしまいましたが、私は、海外で暮らす事で、自分自身の目で実際に見るもの、自分自身の身体で実際に感じることを、大切にしたいなぁと思うのと同時に、色々な事を受容できる器をもっと増やしたいなぁと思うようになりました。そんなふうに思えるようになったのは、メルボルン留学を経て、今の生活を経験しているからこそです。
私と同じように、海外に興味があるけどなんとなく迷っている方、まさに今踏み出そうとしている方に、ぜひ何か伝われば…と願っています。
国語であるゾンカ語…さっぱりわかりません。他の言語は基本的に話し言葉だけです。
こちらの長距離ローカルバスです。